龍瞳ーその瞳に映るもの
そっとタイミングを見計らい
外の様子を伺う。
そのままコンビニに入ってくナノハ。
ラフな格好をしているけどそれは
見たこともない服。

美緒がいるなんて思いもしないで
何を買ったのかはわからないけど
小さな袋ひとつ下げてすぐに出てきた。

「どうする、追う?」

ナノハがコンビニに入ってる間に
美緒は後部座席に移動して
イクヤは帽子とメガネをかけさせた。

「当たり前でしょ、追って」

ここまできて追わないでどうすんのよ。
バカっぷりに思わず口調がきつくなる。

「そ、そうだな、わかった」

「バレないようにしてね」

「わかった」

ここでドジったら水の泡。
さいわい、真っ直ぐ続く道だったから
ナノハの姿を目視できる間は
駐車場で待機して見えなくなる前に
車をゆっくり発車させた。
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