龍瞳ーその瞳に映るもの
「ねぇ、ねぇ」

勘違い男が手にしているのはセーラー服で

「はい、これ着て」

と、差し出してくる。

「え、ちょ、っと」

セーラー服と言えば清純なイメージ。
だけど、そのセーラー服はあきらかに
上も下も丈が足りない。

勘違い男は困惑している理由も勘違い。

「あ、1万円ね、そうだったね、渡すよ」

財布から1万円札を一枚取り出した。

「追加料金したらオプションつく?」

みたところ、30手前のサラリーマンっぽい。
モテるわけでもモテないわけでもない
どこにでもいそうな真面目なタイプ。

なのに、言い出す事はクソ過ぎて
イライラは募るばかり。
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