龍瞳ーその瞳に映るもの
「あ、あの、えーと…
シャワー浴びてきてください」

何とか凌がないとと頭を働かせる。

「シャワー?」

「あ、はい、あのルールなので」

何のルールだか知らないけれど言ってみた。

「ルール、とか言ってシャワー浴びてる間に
いなくなっちゃうんじゃない?」

ドキリと心臓が跳ねる。

「なぁんてウソだよ。わかった。
シャワー浴びてくる」

ホッと安心したのもつかの間

「その代わりこれ着て。
人質じゃないけど、君の着てる服を
預かっておくからさ。
それと、1万円返して。終わった後渡すよ」

バカかと思っていたけど、
そこまで甘くはなかった。

お金はいくらでも返すけど
そのセーラー服を着るのは躊躇する。
でもここで拒否したら怪しまれる。

仕方なくセーラー服を受け取り
見られないようにトイレにカギをかけて
着替えをした。
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