先生のことなんて好きにならない!
「私、じゃましちゃったかな」
玄関のドアを閉めたところで、少し歩きながら清水先生がそう聞いてきた。
「え?!あの、本当にそういう関係じゃないですからね!」
「ほんと〜?」
「ていうか、生徒と先生がそういう…恋人って、先生として注意しなくて良いんですか?」
「ん〜、清水先生としては注意しなきゃだけど、今は、清水あおいっていう1人の女だもの。それに、要くんには幸せになってもらいたいのよ」
「清水先生は本当に…その、諸星先生のこと異性として好きではなかったんですか?」
「うーん…そうね。異性とは思えなかったのがだめだったのかもね」
「それだけ仲がよかったってことですね」
「どうだろうね?こんなこと元カノの私に言われちゃ嫌かもしれないけど、私、明さんと要くん良いと思うの」
「だっ!だから!先生!違いますって!」
清水先生は早とちりが過ぎる…!
「え〜?もし、相談とかあれば連絡してね。教師とのことだからって誰にも言えないのは辛いだろうから」
「だから…」
「そういうことにしておいてあげるから、取り敢えず連絡先は貰っておいて」
清水先生の連絡先を半ば強制的に手に握らされ、じゃあねと綺麗な髪をなびかせながら清水先生は帰って行った。