先生のことなんて好きにならない!
「お待たせー…」
すっかり長くなったスカートと、どんより顔のはる。
「わー、すごい囲まれようだね」
私の視線の先に気づいたのか、そう言うはる。
「すごいね」
まさかここまで人気だとは思っていなかった。
囲まれちゃうなんてアイドルみたい。
適当に通り過ぎようと、はると何気なく話しながら諸星先生の前を通り過ぎると、
「七瀬!」
と声を掛けられた。
「これ。薬代とか、返してなかったと思って」
小さな袋に入ったお金を握らせる諸星先生。
囲んでいた女子からは、何あの子とでもいったような冷たい視線を浴びせられる。