先生のことなんて好きにならない!
それに問題は隣にいるはる。
なんだかニヤニヤした表情を浮かべているような…
「あ、キーホルダーそこにつけたんだな」
「あ、はい…ていうか、先生!あんまり外で…」
はっとした顔をすると、咳払いをして、先生はいつにも増してクールな顔をしながら、
「また今度な」
そう言って所定の位置に戻っていった。
「え〜、何?いまの〜!2人だけの会話じゃん〜いつの間に仲良くなったのよ〜」
私の肩をばしばしと叩き、近所のおばちゃんかの様に話すはる。
「仲良くなんてなってないから!普通!」
「え〜?怖いなんて言ってたのに」
「確かに、怖いと思っていたのは誤解だったけど」
何も知らず怖い人だと思っていたけど、目つきが悪いのは視力のせいだったり、実は飴が好きだったり、濡れた私を気遣ってくれたり……
「へ〜?あ、でも、さっきみたいに優しい顔をした諸星先生はじめてみたよ」
何それ。私だけに見せた顔ってこと…?