先生のことなんて好きにならない!
「そのまま寝ないでくださいよ」
「んー」
先生に半分くらい机を取られたので、隣の席に移動して問題を解き進めた。
今日の範囲を解き終わったところで答え合せをしてもらおうと、先生を見ると、一定のリズムで動く先生の体と呼吸音。
「先生寝れてないんですか?」
なんて、聞いても聞こえていないのか返事がない。
寝てる…
「ちゃんと寝てくださいよー。せっかくご飯作ってるのに、寝なきゃ不健康なままですよ」
ぼそぼそと小さな声で先生に向かって言いながら、私も先生と同じ格好をしてみた。
授業中に寝ている子ってこんな感じなのかな。
体の力を抜いて机に伏せると、少し眠くなってきた。
さっきは、会話の途中で先生のこと好きじゃないなんて断言しちゃったけど、最近の私は、先生で一喜一憂して、頭の中に先生が浮かんできて。
怖そうだって思っていたのは、こうやって補習を受ける前で。
先生と関わって知っていくうちに強い人なんかじゃないって分かった。
「先生のこと………好きなのかなぁ」
ぽつりと呟いて、そのまま私は寝てしまった。