先生のことなんて好きにならない!
先生の車に流れる音楽は私の聞いたことのないものばかりで、話題なんて浮かばないし、先生から話を振られることもなかった。
外の景色を眺めながらぼーっとしていると、いつの間にか先生の自宅に着いていた。
「あー、七瀬制服か…一応これ羽織っとけ」
そう言って、先生の着ていたスーツを渡された。
「堂々と生徒連れ込むのはだめだろ」
…確かに。やましいことはなくても、今時変な目で見られるのがオチだ。
それに、先生の自宅はアパートだからそれなりにご近所付き合いだってあるはずだ。
正直、全く気にしていないのかと思っていたから少し驚いた。
先生の上着を羽織り、荷物を持って後ろを付いて行くと、先生の部屋に着いた。