先生のことなんて好きにならない!
はっとなって起きると、先生は、起きて何か作業をしていた。
「あ、起きた?」
「はい」
どれくらい寝ていたのだろうと時計を見ると、まだ10分が経ったくらいだった。
体を起こすと、何かが肩にかかっていることに気がついた。
見るとそれは先生の上着で、どうやら先生は寝てしまった私に上着をかけていてくれたらしい。
起こしてくれればよかったのに。
「ありがとうございました」
上着を先生に返すと、代わりにさっき解いた答案用紙が帰ってきた。
「わっ、すごい!ほとんど正解!」
「応用はさっぱりだけどな」
「う…素直に褒めてくださいよ」
「はいはい」
よくできましたと言ってぽんぽんと先生は私の頭を撫でた。
二回目だ…
かあっと耳まで赤くなったような気がして、すぐには顔をあげられなかった。