先生のことなんて好きにならない!
「あ、ここです。ありがとうございました」
「いえいえ」
「あ、あの、ちょっとだけ待っていて貰っても良いですか?」
そう伝え、駆け足で家に入り、綺麗なタオルを持って先生の元へ駆け寄った。
「これ、肩も髪も濡れてるだろうから…」
「ああ、悪いな」
「いえ!ありがとうございました!お気をつけて」
一歩下がり、先生を見送ると、ひらひらと手を振って先生は車を出した。
そして、家に戻ると、ニヤニヤとした顔のお母さんが居た。
「…なに?」
「今の…だあれ?」
「…誰でもいいでしょ!」
「年上とみた!」
「今日は傘忘れたから送ってもらったの!ただの先生よ」
「ふ〜ん」
お母さんってば…私が何か言う度に私の肩を肘で突いてくる。
何もないってば!!