先生のことなんて好きにならない!
その実習生の噂は、良くも悪くも広がっていた。
男子からは可愛いと評判に、女子からは諸星先生となんてずるいと朝からその話題でもちきりだった。
「七瀬!」
そんな中、噂の人物が現れた。
「はい」
横に実習生を連れて。
「放課後、遅れるかもしれないから先に鍵渡しておこうと思って」
「わかりました。待ってますね」
諸星先生のポケットから出された鍵を受け取りそう答えると、隣の実習生が、
「放課後何かあるんですか?」
と良い匂いをさせながら聞いてきた。