先生のことなんて好きにならない!
いつも以上にキョロキョロしながら、準備室のドアを叩く。
…返事がない。
ということは、実習生はいない。
「失礼します」
素早く入って、ソファーの上を見ると、いつも通り眠る先生の姿が。
「先生、お昼持ってきました」
トントンと肩をたたくと、先生は眠そうな顔をしたまま起きた。
「…お昼寝ていて大丈夫なんですか?」
「大丈夫なように実習生から逃げてきた」
「なんです。それ」
「だって面倒なんだよ」
「そんなこと生徒である私の前で言っちゃだめです!」
「…そうだった。七瀬、生徒だった。あんま。にも心地良いから友だちくらいの感覚だった」
目を擦りながら言う先生。
…寝ぼけてる?