先生のことなんて好きにならない!
夏目くんと帰り道
「さようなら」
「んー、気をつけてな」
「はーい」
教室を出て、帰ろうと歩いていると、後ろから肩をとんと叩かれた。
ん?と振り返ると、そこにいたのは、クラスメイトの夏目くんだった。
「今帰り?」
「うん。そうなの。補習で…」
「へ〜大変だな〜」
「夏目くんは…部活終わりだよね?」
「そうそう」
「何部だっけ」
「バレー!」
そうだそうだ。思い出した。バレー部のエースになるって自己紹介のとき堂々と言っていた気がする。
夏目くんは、エースになると宣言してもみんな笑うなんてことはないくらい、ああ、この人はエースになるんだろうなって思わせるような見た目や性格をしている人だ。
背も高くて、そんなに体格が良いわけではないけれど、腹筋やよく使う腕なんかは凄いらしい。見たことがないから私はよく分からないけど…
諸星先生とは正反対だなと考えてしまった。