先生のことなんて好きにならない!
諸星先生と良いところ探し
「…何だよ」
先生の良いところを探そうと、放課後の補習の最中じーっと先生の顔を見ていると、そう不機嫌そうに声が飛んできた。
「いやー、先生の良いところってどこだろう?って考えていて…」
「は?」
「先生良いところあんまり無いじゃないですか」
「うるせぇな」
「ほら、口悪いですし。目つきも悪いですし。なのに、みんな先生のことかっこいい〜!なんて言うんです」
かっこいい〜!にはうんと高い声で先生のファンの真似をしてみせた。
「それを本人に言うな」
そう言いながら椅子に座ったまま少し腰を浮かせ片手で椅子を引きずりながら私の机に寄せてきた。