先生のことなんて好きにならない!
「もしかして、買い物が面倒なら料理もサボっているんじゃないですか?」
私が前に作ったものも、もう無くなっているはずだ。
「当たり前だろ」
当たり前って…でも、そうすると前に食材が揃っていたのはどうしてなのだろう…?仕送り…とか?
「良ければまた作りますよ…ちょっと本気で先生の健康面が心配…」
「ほんとか?!」
うわっ、びっくりした。私の発言に意外と可愛い目をきらきらとさせ食いついてきた先生。
「そんなに美味しかったですか。そうでしょう。そうでしょう。私のお料理美味しかったでしょう」
あまりにも反応が良かったものだからそう調子に乗って言うと、
「ああ。美味かった。七瀬、お前良いお嫁さんになるよ」
と、そう言われた。てっきり、また棘のある言葉でぐさりと返されると思っていたのに、素直に褒められると、少し照れくさい。
「ありがとうございます…」
恥ずかしくて少し小さな声でお礼を言った。