先生のことなんて好きにならない!
「ああ、そうだ。お返しに、日曜、ここへ行かないか」
何かと思い、差し出されたチケットを見ると、動物園の文字が書かれてあった。
「動物園…どうして先生が動物園のチケットを?」
「それは、何でも良いだろう。余っていたんだ。で、行くか?ここなら、遠いし、他の生徒や先生の目にはつかないと思って丁度良いかと思ったのだが…」
ああ、そうか。何もなくても、他の生徒や先生に私と諸星先生が親しく出かけているところを見られるのはまずいだろう。
「あ、まず俺と二人ってのが嫌か」
と、そう続けて言う先生の言葉に、なぜか私は声を大きくして、
「嫌じゃないです!」
と言っていた。どうしたのだ…私は。こんな風では、どうしても先生と行きたいように見えてもおかしくない。
「そうか」
と、そう言って少し嬉しそうに笑う先生にこちらの体温が少し上がったようなきがした。