先生のことなんて好きにならない!
「七瀬!お昼食べよう」
「あ、待って、ちょっと提出物先に出してくる」
そう言って、こっそりと先生の分のお弁当を持ち出し、先生のもとに向かう私。
先生の居る数学準備室の前に立ち、小さく息を吸ってからこんこんとドアを叩いた。
「…失礼します」
恐る恐る入ってみたのだけど、誰も見当たらない。
「あれ…?」
ていうか、前は気付かなかったけど、この部屋机が4つもあるのに、使われてるの1つだけだし。
ここだと思ったんだけどなと心の中で呟きながら、本当に誰もいないのかと確認しようと中に進むと、ソファーの前にきた瞬間、がっと腕を掴まれた。
「ひゃっ?!」
何?!おばけ?!
びっくりしすぎて変な声が出た。