先生のことなんて好きにならない!
恐る恐る正体を確かめようと振り返るとそこには、目をこすりながらゆっくりと起き上がる諸星先生の姿が。
「なんだ…先生か…」
ぼさぼさになった髪を直すのを手伝ってあげながらほっとする私。
「ちょっと寝てた…」
「もしかして、疲れてます?」
「いや、昨日ちょっと夜更かししてな…それより、ご飯か。ありがとうな」
「ああ、いえ。ここ置いておきますね」
ソファーの前に置かれてある白い机の上にぽんとお弁当を置き、一歩下がると、
「ああ、そうだ。七瀬、今携帯持ってるか?」
「え?…そんなこと先生に言えると思います?」
校内での携帯の使用は校則違反だ。
「俺しかいないし。日曜のこと連絡したいから交換しておきたいと思って」
確かに、連絡できないのは不便だし、先生との連絡先交換なんて割とよくあることだ。