先生のことなんて好きにならない!





「ははっ…すっすみませんでした〜」



そう言って、そそくさと逃げる男たちを怪訝な目で見たまま、



「強いんじゃなかったのか」



そう私に言う先生。


先生の家を出るときに言った言葉を思い出した。

そういえば、そんなことを言っていた。



「やっぱり送れば良かったな。怖かったな」



そう言って、先生はあやすように私を抱きしめ、背中をとんとんと優しく叩いた。

さっきまでの怖さが先生が来てくれたことによって薄れ、安心に変わり、ぽろぽろと涙が溢れてきた。



「っひっく…先生…」


「うん」


「怖かった…来てくれて…安心しました」


「そうか」



ぎゅうっと強く抱きしめた後、すっと離れ私の涙を拭ってくれる先生。

先生の良いところってこういう所だ。


先生は私のヒーローだ。
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