先生のことなんて好きにならない!
涙も収まり、落ち着いたので自販機で暖かい飲み物を買い、歩きながら私の家まで送ってもらうことになった。
「そういえば、先生。どうして追いかけてきたんですか?」
「ああ、弁当箱。渡してなかったと思って」
「あ!そういえば!忘れてましたね」
「返そうと追いかけると、七瀬が変な男に絡まれてるからびっくりした」
「私もびっくりしましたよ!まさか先生が来てくれるなんて思わなかったですから」
そう。あの時は本当に驚いた。
「追いかけてなかったらと思うとゾッとするよ。七瀬が無事で良かった」
そういうことをさらっという…
「ズルいですよ」
「何がだ」
「いいえ。なにも」
一生徒だから助けたのか。それとも、困っている人を助けずにはいられない性なのか。それとも、私だったから…なんて、それはないだろうけど。
なんにせよ、助けてもらったことは事実だし、感謝すべきことだ。