愛寵メルへン
赤ずきんの森
「おい、おい!!大丈夫か?」
「ん…」
誰かに揺すられて目を覚ます。
「よかった、気がついたか。」
うっすらと目を開けると漆黒の髪と綺麗な蒼い瞳をした黒い大きな耳の生えたが青年が心配そうに見つめていた。
大きな耳…
「オオカミ…?」
ゆっくりと起き上がり、辺りを見回す。
生い茂った木々に囲まれ、小鳥たちのさえずりが聞こえる。
少なくとも、私の住んでいるところにはない景色だ。
ふと、手元に童話集を見つけた。
開かれていたページは『赤ずきん』。
と、いうことはここは赤ずきんの世界?
一人でいろいろと考えているとオオカミらしき青年から声をかけられる。
「お前、俺が怖くないのか?」
「え、怖いって?」
「だって、俺、オオカミだぞ?」
自分の事をオオカミと名載る青年が不安そうな目で見つめる。
「いや、怖いというか…見た感じ普通の人間っぽいし…
あ、耳と尻尾が生えてるけど。でも、私を助けてくれたんでしょ?なら、悪い人ではないと思うから。」
「そうか…ありがとう。
ところで、どうしてこんなところに倒れていたんだ?」
青年に今までの経緯を話す。
「信じてはくれないかもしれないけど…
本当のことなの。」
「…まあ、お前は悪い奴の匂いはしないから
今は信じているということにしてくれ。
俺はオニキス。お前は?」
「乃亜」
「ノアか…よし、ここは危ないからとりあえず安全な所まで行くぞ。ついて来い。」
足元に落とした童話集を急いで拾って、オニキスの後を追った。
「ん…」
誰かに揺すられて目を覚ます。
「よかった、気がついたか。」
うっすらと目を開けると漆黒の髪と綺麗な蒼い瞳をした黒い大きな耳の生えたが青年が心配そうに見つめていた。
大きな耳…
「オオカミ…?」
ゆっくりと起き上がり、辺りを見回す。
生い茂った木々に囲まれ、小鳥たちのさえずりが聞こえる。
少なくとも、私の住んでいるところにはない景色だ。
ふと、手元に童話集を見つけた。
開かれていたページは『赤ずきん』。
と、いうことはここは赤ずきんの世界?
一人でいろいろと考えているとオオカミらしき青年から声をかけられる。
「お前、俺が怖くないのか?」
「え、怖いって?」
「だって、俺、オオカミだぞ?」
自分の事をオオカミと名載る青年が不安そうな目で見つめる。
「いや、怖いというか…見た感じ普通の人間っぽいし…
あ、耳と尻尾が生えてるけど。でも、私を助けてくれたんでしょ?なら、悪い人ではないと思うから。」
「そうか…ありがとう。
ところで、どうしてこんなところに倒れていたんだ?」
青年に今までの経緯を話す。
「信じてはくれないかもしれないけど…
本当のことなの。」
「…まあ、お前は悪い奴の匂いはしないから
今は信じているということにしてくれ。
俺はオニキス。お前は?」
「乃亜」
「ノアか…よし、ここは危ないからとりあえず安全な所まで行くぞ。ついて来い。」
足元に落とした童話集を急いで拾って、オニキスの後を追った。