イジワル御曹司のギャップに参ってます!
まるで、魂を注ぎ込まれたかのように。
胸がカッと熱くなった。
いままで立ち止まっていたのが馬鹿みたいに、心の奥底から走る勇気が湧いてくる。
「うん。良い顔になった」
流星は安心したかのように囁くと、私の手首を強引に引き、会議室から飛び出した。
「ちょっと、どこへ行くの!?」
私を連れて走り出す流星。
そこそこ人の多い廊下を、通行人にぶつかりそうになりながらもすれすれに避けて駆け抜ける。
「やるべきことを、やりに行くんだよ」
「やるべきこと……?」
「ひとつしかないだろ!」
立ち塞がる扉を蹴り飛ばしてオフィスへ飛び込んだ。
バタバタと騒がしい足音を隠しもせず、デスクへと戻る。
一体何の騒ぎかと、周囲の視線が集まっている。
「出かける用意して」
「出かけるって、一体どこへ――」
「いいから、早く!」
「わ、わかった」
急かされるがまま、私は机の上に投げ出していた私物をバッグの中に詰め込んだ。
一足先に準備を整えた流星が、ビジネスバッグの持ち手に手をかけ肩に掲ぎ上げた。
「ほら、行くよ」
「は、はい!」
胸がカッと熱くなった。
いままで立ち止まっていたのが馬鹿みたいに、心の奥底から走る勇気が湧いてくる。
「うん。良い顔になった」
流星は安心したかのように囁くと、私の手首を強引に引き、会議室から飛び出した。
「ちょっと、どこへ行くの!?」
私を連れて走り出す流星。
そこそこ人の多い廊下を、通行人にぶつかりそうになりながらもすれすれに避けて駆け抜ける。
「やるべきことを、やりに行くんだよ」
「やるべきこと……?」
「ひとつしかないだろ!」
立ち塞がる扉を蹴り飛ばしてオフィスへ飛び込んだ。
バタバタと騒がしい足音を隠しもせず、デスクへと戻る。
一体何の騒ぎかと、周囲の視線が集まっている。
「出かける用意して」
「出かけるって、一体どこへ――」
「いいから、早く!」
「わ、わかった」
急かされるがまま、私は机の上に投げ出していた私物をバッグの中に詰め込んだ。
一足先に準備を整えた流星が、ビジネスバッグの持ち手に手をかけ肩に掲ぎ上げた。
「ほら、行くよ」
「は、はい!」