イジワル御曹司のギャップに参ってます!
ある日、伊藤さんがぽつりと質問してきた。
「そういえば、朱石さんとよく一緒に来ていた人――」
「はい、氷川がどうかしました?」
「彼、うちの秘書課の者と付き合っていますか?」
「……は!?」
危うくお水を吹くところだった。
目を真ん丸くさせている私に、伊藤さんが苦笑いしながら説明する。
「いえ、ね、うちの秘書課の者が、言いふらしているものですから。『美倉広告企画』のイケメンの若手エースと付き合ってるーって」
「そ、そうなんですか……?」
失笑するしかなかった。
まさか。あの流星に限って、客先の子をナンパなんて……
だが、最近彼の様子がおかしいことも確かだ。
彼にとってなんのメリットもない私の謝罪行脚を手助けしてくれたり、突然眼鏡をかけなくなったり……
ひょっとして、毎日『ジュエルコスメ』に足を運んでいたのはこのためか!?
眼鏡をかけなくなったのも、女の子を口説きやすいため!?
まして、今の彼は『氷川』じゃなくて『流星』だ。
かつて私をからかって押し倒そうとした彼。それに、『東京ラブランドパーク』のときだって、ほいほいと私にキスしたりして――
『流星』である彼は、ひょっとして、ものすごく軽い男なんじゃないだろうか。
女の子だったら誰にでも手を出しちゃうくらい、肉食男児である可能性も――
帰ったら、しっかりと問い詰めなければと思った。
「そういえば、朱石さんとよく一緒に来ていた人――」
「はい、氷川がどうかしました?」
「彼、うちの秘書課の者と付き合っていますか?」
「……は!?」
危うくお水を吹くところだった。
目を真ん丸くさせている私に、伊藤さんが苦笑いしながら説明する。
「いえ、ね、うちの秘書課の者が、言いふらしているものですから。『美倉広告企画』のイケメンの若手エースと付き合ってるーって」
「そ、そうなんですか……?」
失笑するしかなかった。
まさか。あの流星に限って、客先の子をナンパなんて……
だが、最近彼の様子がおかしいことも確かだ。
彼にとってなんのメリットもない私の謝罪行脚を手助けしてくれたり、突然眼鏡をかけなくなったり……
ひょっとして、毎日『ジュエルコスメ』に足を運んでいたのはこのためか!?
眼鏡をかけなくなったのも、女の子を口説きやすいため!?
まして、今の彼は『氷川』じゃなくて『流星』だ。
かつて私をからかって押し倒そうとした彼。それに、『東京ラブランドパーク』のときだって、ほいほいと私にキスしたりして――
『流星』である彼は、ひょっとして、ものすごく軽い男なんじゃないだろうか。
女の子だったら誰にでも手を出しちゃうくらい、肉食男児である可能性も――
帰ったら、しっかりと問い詰めなければと思った。