イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「それから、その頃、私は氷川さんと少しだけお付き合いをしていました。
傷心の氷川さんを、無理やり言いくるめて、強引に付き合わせたんです。
少し経って冷静さを取り戻した氷川さんに振られてしまいましたけれど。『行きずりの関係はよくない』なんて言って。
私は別に行きずりでも何でも良かったんですが。そんなところだけ真面目な人なので」
『真面目な人』――か。
青山さんと別れた理由が、彼の誠実さだとするならば。
それはつまり、青山さんを大切に想っていたということでしょう?
期間の長さに関わらず、お互いを大切に想い合っていたという事実。
そして、氷川流星の辛く苦しい時期にそばで支え続けたのは、青山さんであるということ。
二人の歴史の重さを知って、胸がずきんと痛んだ。
「話が逸れてしまいましたが……
『眼鏡』は、氷川さんが氷川さんであるための象徴なんです。
この会社で生きていくための決意です。
『眼鏡』を捨てた彼は、この会社に求められていない存在なんです。
氷川さんだって、それをちゃんと分かっていて、受け入れていたはずだったのに!」
青山さんが再び瞳を熱くして、私へ詰め寄る。
「一体何を言って『眼鏡』を外させたんですか! どうやって彼の中の『氷川』を殺したんですか!」
傷心の氷川さんを、無理やり言いくるめて、強引に付き合わせたんです。
少し経って冷静さを取り戻した氷川さんに振られてしまいましたけれど。『行きずりの関係はよくない』なんて言って。
私は別に行きずりでも何でも良かったんですが。そんなところだけ真面目な人なので」
『真面目な人』――か。
青山さんと別れた理由が、彼の誠実さだとするならば。
それはつまり、青山さんを大切に想っていたということでしょう?
期間の長さに関わらず、お互いを大切に想い合っていたという事実。
そして、氷川流星の辛く苦しい時期にそばで支え続けたのは、青山さんであるということ。
二人の歴史の重さを知って、胸がずきんと痛んだ。
「話が逸れてしまいましたが……
『眼鏡』は、氷川さんが氷川さんであるための象徴なんです。
この会社で生きていくための決意です。
『眼鏡』を捨てた彼は、この会社に求められていない存在なんです。
氷川さんだって、それをちゃんと分かっていて、受け入れていたはずだったのに!」
青山さんが再び瞳を熱くして、私へ詰め寄る。
「一体何を言って『眼鏡』を外させたんですか! どうやって彼の中の『氷川』を殺したんですか!」