イジワル御曹司のギャップに参ってます!
雨が身体を濡らし続けている。
もうすでに服はびしょびしょで体は冷え切っている。
だが、私の心はこれまでにないくらい熱く、炎のように燃え盛っている。
「『星宝Lilia』のジュエリーとワンセットで印象付けることによって、特別な記念日のアイテムという認知を浸透させるのです。
普段使いの枠を超えて、持ち主の人生の分岐点に寄り添える商品としてのイメージ戦略を行う――それにより、パッケージや価格帯を変えなくとも、高級感や特別感を演出することが可能です。
社長は以前、このコラボ企画の話を聞いたときに仰っていたそうですね――『我が社を星宝Liliaへ売るのか』と。
逆です。『星宝Lilia』の恩恵を享受するのは、あなた方『ジュエルコスメ』の方です」
社長が眉間の皺を一際大きくして、険しい顔で目を瞑る。
何を考えているのだろうか、賛同? 不満? 憤り? その表情からはまだ読み取れない。
「……私事ではありますが、私にとっても今回の二十周年アニバーサリー企画は特別なのです。
自分で初めて指揮をする、大切な企画だったので。
どうしたら他のCMに埋もれないか、全ての人の心に深く印象付けられるか、ずっと考え続けてきました。
この『作品』を、他にはない唯一無二のものにしたい、その一心で――」
「それで」
ここまできたところで、やっと社長が口を開いた。
その表情は冷静そのものだった。
「この企画に乗れば、我々の広告は唯一無二のものになるのかね」
私は社長へ真っ直ぐに向き合う。
揺らがぬ口調で宣言する。
「……お約束します。
誰もが目を奪われるCMにしてみせます。
頭に焼き付いて離れない作品を創り上げて見せます」
もうすでに服はびしょびしょで体は冷え切っている。
だが、私の心はこれまでにないくらい熱く、炎のように燃え盛っている。
「『星宝Lilia』のジュエリーとワンセットで印象付けることによって、特別な記念日のアイテムという認知を浸透させるのです。
普段使いの枠を超えて、持ち主の人生の分岐点に寄り添える商品としてのイメージ戦略を行う――それにより、パッケージや価格帯を変えなくとも、高級感や特別感を演出することが可能です。
社長は以前、このコラボ企画の話を聞いたときに仰っていたそうですね――『我が社を星宝Liliaへ売るのか』と。
逆です。『星宝Lilia』の恩恵を享受するのは、あなた方『ジュエルコスメ』の方です」
社長が眉間の皺を一際大きくして、険しい顔で目を瞑る。
何を考えているのだろうか、賛同? 不満? 憤り? その表情からはまだ読み取れない。
「……私事ではありますが、私にとっても今回の二十周年アニバーサリー企画は特別なのです。
自分で初めて指揮をする、大切な企画だったので。
どうしたら他のCMに埋もれないか、全ての人の心に深く印象付けられるか、ずっと考え続けてきました。
この『作品』を、他にはない唯一無二のものにしたい、その一心で――」
「それで」
ここまできたところで、やっと社長が口を開いた。
その表情は冷静そのものだった。
「この企画に乗れば、我々の広告は唯一無二のものになるのかね」
私は社長へ真っ直ぐに向き合う。
揺らがぬ口調で宣言する。
「……お約束します。
誰もが目を奪われるCMにしてみせます。
頭に焼き付いて離れない作品を創り上げて見せます」