イジワル御曹司のギャップに参ってます!

これは――

――許してもらえたのだろうか。


私がぽかんと流星を見上げると、彼も同様に拍子抜けしたような顔でこちらの視線に答えた。

「流星……」

「……朱石さん」

どこか安心したように、私の名を呼ぶ流星。

ふと視線を私の顔から下へ移動した彼は、何かとんでもないものを見つけてしまったようだった。
一瞬目を見開いて言葉を失ったあと、くつくつと喉の奥から含み笑いを漏らす。

「あなたはどうして、懲りないんだろうね」

「……え?」

「そんなに俺に、下着を見てもらいたいの?」

「は?」

私が慌てて自分の胸元を覗くと、まるであのときのよう、濡れたシャツの下から真っ赤な花柄のブラが透けて見えていた。

「っっっ!!!」

慌てて羽織っていた白衣の前を握りしめ、胸元を隠すも

「今さら隠したって、遅いって」

流星が困ったような顔で微笑む。そんな彼も全身ぐしょぐしょで、私に負けず劣らずみっともない恰好をしている。
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