イジワル御曹司のギャップに参ってます!
困惑で瞳をゆらゆらさせている私を見て、流星は困ったように笑いながら釈明した。

「あなたは太陽みたいに輝いていて、いつも笑顔を絶やさなくて、自由奔放で……。
俺の尊敬する人にちょっと似ている。
俺がなりたくて、なれなかった、憧れの姿を、あなたは地で体現しているんだから、もはや悔しいよ」

尊敬する人――それはかつて流星の上司だった『村正さん』のことだろうか。

「どんな人だったの?」

私の問いかけに流星は遠くに視線を投げながら、懐かしい顔をする。

「あなたみたいに、楽しそうに働く人だった。
たまに無茶苦茶でぶっ飛んだことをするけれど、それには全て意味があった。賢い人だったよ。
それから、ちょっと悪戯っ子で、憎めなくて、みんなから愛される人だった」

まるで初恋の人を思い出すかのように愛おしげに語る流星。

「俺もああなりたかった。けれど、できなかった。だから嫉妬した。
あなたのことが、悔しくて、羨ましくて、憎らしかった」

流星が私の髪をぎゅっと握る。少し乱暴な仕草に、鼓動がドクリと跳ねる。

「でも、愛おしくもあった。眩しくて輝いていて、俺なんかじゃ手の届かないあなたを、独占したいって、ずっと思ってた」

乱暴さを帳消すように、そっと私の髪を撫でる。
私の肩にこつんとおでこを置いて、まるで許しを請うかのように喉の奥で喘ぐ。
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