イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「久々にコレ行きますか」「いいですねぇ」部長と課長が親指と人差し指を傾けながら酒を交わす仕草をする。「君たちはどうする? 一緒にくるかい?」
振り返った部長と課長に、氷川は丁重に断りを入れた。
「せっかくですが、急ぎの仕事が残っておりますので、一度社に戻ります」
そこへ私も便乗することにする。
「同じく、社に戻ります」
「そうかい、悪いねぇ、あまり無理をするんじゃないよ」
言葉とは裏腹にたいして悪びれる風もなく、部長と課長は夕闇のネオン街へと姿を消した。
残された私と氷川。
ちらりと横を見ると、冷たい瞳が待ち受けていた。
「あなたは家へ帰りなさい」
「……え?」
なんで命令形?
何を言っているんだこの人、的な目で見ると、何で分からないんだこの人、みたいな目で見られ、埒のあかない視線のやり取りが続く。
無意味な応酬に終止符を打つかのように、氷川がはぁ、とため息をついた。
「徹夜明けでろくに寝てないのでしょう」
「け、けど、まだ仕事が残って――」
「明日にしなさい」
「――ちょ、ちょっと待って、そんな勝手な……!」
言っておくが、私の方が先輩である。
まぁ、歳は一つ下なのだが、それでもキャリアは私の方が一つ上だ。
なのになんだ、この偉そうな命令口調は。
振り返った部長と課長に、氷川は丁重に断りを入れた。
「せっかくですが、急ぎの仕事が残っておりますので、一度社に戻ります」
そこへ私も便乗することにする。
「同じく、社に戻ります」
「そうかい、悪いねぇ、あまり無理をするんじゃないよ」
言葉とは裏腹にたいして悪びれる風もなく、部長と課長は夕闇のネオン街へと姿を消した。
残された私と氷川。
ちらりと横を見ると、冷たい瞳が待ち受けていた。
「あなたは家へ帰りなさい」
「……え?」
なんで命令形?
何を言っているんだこの人、的な目で見ると、何で分からないんだこの人、みたいな目で見られ、埒のあかない視線のやり取りが続く。
無意味な応酬に終止符を打つかのように、氷川がはぁ、とため息をついた。
「徹夜明けでろくに寝てないのでしょう」
「け、けど、まだ仕事が残って――」
「明日にしなさい」
「――ちょ、ちょっと待って、そんな勝手な……!」
言っておくが、私の方が先輩である。
まぁ、歳は一つ下なのだが、それでもキャリアは私の方が一つ上だ。
なのになんだ、この偉そうな命令口調は。