イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「本当に、大丈夫ですか?」
彼が私の両肩を持ち、少しだけ身体を離した。
やっと離れた、と思いきや。
「……あ」
彼が驚いたように呟きを漏らし、私の身体を再び抱き寄せる。
「……っ……何……」
何するのよ! と言いたかったのだが、震える唇からはろくな単語も出てこなかった。
それでも氷川は、私が何を言いたかったのか察してくれたようだ。
誰にも聞こえない小さな声で、私の耳に囁く。
「下着が、透けてる」
「……へっ!?」
私は顎を引いて自分の胸元を覗いた。
大きく開いたジャケットの胸元から見える、びっしょりと濡れたシャツ。その下に身に着けている真っ赤な花柄のブラジャーが透けていたのだ。
「ひああああ!」
今度はこちらから氷川の胸に飛びついた。
前を隠さなければという本能が、男性に対する恐怖心を上回ったのだ。
人混みの最中、真っ赤な花柄を晒すなんて、あり得ない!
「大丈夫。前さえ隠していれば見えませんよ」
氷川が私をなだめる。
それでも縮こまって震えている私を見て、やれやれといった感じで手を回し包み込んだ。
「ここからタクシーで十五分ほどのところに、私の家があります。
着替えて、服を乾かしましょう」
彼の提案に私は首を縦に振るしかなかった。
彼が私の両肩を持ち、少しだけ身体を離した。
やっと離れた、と思いきや。
「……あ」
彼が驚いたように呟きを漏らし、私の身体を再び抱き寄せる。
「……っ……何……」
何するのよ! と言いたかったのだが、震える唇からはろくな単語も出てこなかった。
それでも氷川は、私が何を言いたかったのか察してくれたようだ。
誰にも聞こえない小さな声で、私の耳に囁く。
「下着が、透けてる」
「……へっ!?」
私は顎を引いて自分の胸元を覗いた。
大きく開いたジャケットの胸元から見える、びっしょりと濡れたシャツ。その下に身に着けている真っ赤な花柄のブラジャーが透けていたのだ。
「ひああああ!」
今度はこちらから氷川の胸に飛びついた。
前を隠さなければという本能が、男性に対する恐怖心を上回ったのだ。
人混みの最中、真っ赤な花柄を晒すなんて、あり得ない!
「大丈夫。前さえ隠していれば見えませんよ」
氷川が私をなだめる。
それでも縮こまって震えている私を見て、やれやれといった感じで手を回し包み込んだ。
「ここからタクシーで十五分ほどのところに、私の家があります。
着替えて、服を乾かしましょう」
彼の提案に私は首を縦に振るしかなかった。