イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「どこまで馬鹿にすれば気が済むのよっ!」
思わず私は叫んでいた。氷川が心外だなあという顔で目をぱちくりする。
「誉めてるんだけど?」
「どこがよ!」
馬鹿にする以外に、可愛いなんて単語の使い道がどこにあるって言うんだ。
膨れっ面で背中を向けると。
「普段はバリバリ仕事してるあなたが、実は運命とか神様とか信じてる感じ。
なんだか女の子っぽくてちょっと意外で、可愛いらしいじゃない」
可愛いの使い道について律儀に答えてきた彼。
ちらりと振り向いた先に、悪意のない柔らかな笑みがあって、ぎょっとする。
私の知る氷川は、こんな顔しないはずだし、女の子へ向けて『可愛い』なんて単語を軽々しく使うようなやつじゃあない。
戸惑う私の肩に、そっと彼が手を伸ばす。
「誉めたんだから、もう少し嬉しそうな顔してよ。ほら、俺の方向いて」
ふいに、氷川の手が伸びてきて、私の顎をすくい上げた。
持ち上げられた顔の目の前に、端正な顔と、眩暈がするほど甘い表情がある。
今日、呼吸を忘れたのは何度目だろう。
気が動転し過ぎて、膝の力が抜けた。よろけて、ソファの上に崩れ落ちる。
「おっと、大丈夫?」
氷川が私の背に手を回し、支えようとしてくれる。
けれど。
「さ、触らないで!」
咄嗟に私はその手を弾いてしまった。
氷川が驚きに目を見開いて、動きを止める。
ゆっくりと三歩、後ろに下がり、私と距離を取った。
思わず私は叫んでいた。氷川が心外だなあという顔で目をぱちくりする。
「誉めてるんだけど?」
「どこがよ!」
馬鹿にする以外に、可愛いなんて単語の使い道がどこにあるって言うんだ。
膨れっ面で背中を向けると。
「普段はバリバリ仕事してるあなたが、実は運命とか神様とか信じてる感じ。
なんだか女の子っぽくてちょっと意外で、可愛いらしいじゃない」
可愛いの使い道について律儀に答えてきた彼。
ちらりと振り向いた先に、悪意のない柔らかな笑みがあって、ぎょっとする。
私の知る氷川は、こんな顔しないはずだし、女の子へ向けて『可愛い』なんて単語を軽々しく使うようなやつじゃあない。
戸惑う私の肩に、そっと彼が手を伸ばす。
「誉めたんだから、もう少し嬉しそうな顔してよ。ほら、俺の方向いて」
ふいに、氷川の手が伸びてきて、私の顎をすくい上げた。
持ち上げられた顔の目の前に、端正な顔と、眩暈がするほど甘い表情がある。
今日、呼吸を忘れたのは何度目だろう。
気が動転し過ぎて、膝の力が抜けた。よろけて、ソファの上に崩れ落ちる。
「おっと、大丈夫?」
氷川が私の背に手を回し、支えようとしてくれる。
けれど。
「さ、触らないで!」
咄嗟に私はその手を弾いてしまった。
氷川が驚きに目を見開いて、動きを止める。
ゆっくりと三歩、後ろに下がり、私と距離を取った。