イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「次のプロジェクトはね、新しいことをしたいんだ。
今まで他の人たちが成し遂げられなかったことや、二の足を踏んでいたことも、恐れず立ち向かっていきたいって思ってる」

「そう。あなたなら出来るんじゃない?」

「協力してくれる?」

「俺でよければ」

「……ありがとう」

絶対的な味方を得たようで、嬉しかった。
私一人では出来なかったことを、『私たち』なら出来るかもしれない。

だって、正反対の二人が一つになれば、完璧になれる。
私を誰よりも苦しませたライバルが味方になったら――彼ほど心強いパートナーは存在しない。


彼がシャワーを浴びに行っている間に、ほんの少しだけと思ってベッドに横たわったら、そのまま意識が途切れてしまった。
次に目を覚ましたときには部屋の中は真っ暗になっていて、ファイルを抱きかかえたまま眠ってしまっていた私の上には毛布がかけられていて、そして横には彼の寝顔があった。

本当だったら驚いて飛び起きるところなのだろうけれど、幸いベッドは少し大き目で密着というわけでもなかったし、何よりあどけない彼の寝顔に毒気を抜かれて、まぁいいや、と思ってしまった。
再び私は瞳を閉じる。
そうたいして時間はかからず、私の意識は再び夢の中へ堕ちていった。
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