イジワル御曹司のギャップに参ってます!
私が深い深いため息をついたお陰で、あの元気印の市ヶ谷くんまで困った顔になってしまった。
「あの、朱石先輩、もしかして、昨日の夜、また何か大きなトラブルでもありました?
俺、何かミスしましたかね?」
「あ、ごめん、全然そんなんじゃないから」
いかんいかん。後輩まで不安にさせてしまうようでは。
必死に自分を奮い立たせていると、市ヶ谷くんはおずおずと私の服に視線を落とした。
「ならいいんですけど……その、先輩の服が昨日と同じだったので、また徹夜だったのかと」
そこに気がついちゃうんだ。
普段は大味な仕事ぶりで、細かいところにまで気が回らないくせに、見逃して欲しいところだけ鋭く切り込んでくるんだ。
「あ、や、これは、そういうことじゃなくて、ちょっと事情が」
しごろもどろに濁す私を見て、市ヶ谷くんは何かを察したのか、「あ」という顔をした。
「あ、もしかして、彼氏と……っ! すみません、俺、立ち入ったことをっ……」
「あ、いや、違う違う、全然そんなんじゃなくて!」
それぞれ違った意味で慌てふためく私と市ヶ谷くん。
そんなことをしている間に、会議室には私たちを除いた他、誰もいなくなり、唯一部屋を出ようとしていた氷川が遠巻きに声を上げた。
「ちょっとそこの二人、いつまでこの部屋に居座るつもりですか。さっさと出てください」
「ご、ごめん、今出る……」
「あの、朱石先輩、もしかして、昨日の夜、また何か大きなトラブルでもありました?
俺、何かミスしましたかね?」
「あ、ごめん、全然そんなんじゃないから」
いかんいかん。後輩まで不安にさせてしまうようでは。
必死に自分を奮い立たせていると、市ヶ谷くんはおずおずと私の服に視線を落とした。
「ならいいんですけど……その、先輩の服が昨日と同じだったので、また徹夜だったのかと」
そこに気がついちゃうんだ。
普段は大味な仕事ぶりで、細かいところにまで気が回らないくせに、見逃して欲しいところだけ鋭く切り込んでくるんだ。
「あ、や、これは、そういうことじゃなくて、ちょっと事情が」
しごろもどろに濁す私を見て、市ヶ谷くんは何かを察したのか、「あ」という顔をした。
「あ、もしかして、彼氏と……っ! すみません、俺、立ち入ったことをっ……」
「あ、いや、違う違う、全然そんなんじゃなくて!」
それぞれ違った意味で慌てふためく私と市ヶ谷くん。
そんなことをしている間に、会議室には私たちを除いた他、誰もいなくなり、唯一部屋を出ようとしていた氷川が遠巻きに声を上げた。
「ちょっとそこの二人、いつまでこの部屋に居座るつもりですか。さっさと出てください」
「ご、ごめん、今出る……」