イジワル御曹司のギャップに参ってます!
また文句を付けられ――しかもくだらない内容で――見るからにげんなりとした顔で部屋を出ようとすると、ドアの前で私たちが退出するのを待っていた氷川が呆れた声を上げた。
「なんですかその酷い顔は」
「失礼ね。元からこういう顔なんだけど」
あなたのせいです、と出かかったが、なんとか平常心で押し殺す。
が、氷川は執拗にお小言を言い放ってくる。先ほどの会議では責め足りなかったのだろうか。
「会議中も当たり障りのない答えで私の言及をかわしていましたね。やる気はあるのですか」
「やる気はあるんだけど、集中力を掻き乱される諸所の事情があって」
「まさか……眠いのですか?」
「どうしてそうなるのよ!」
嫌味だったのに受け取ってすらもらえず、苛立ちが募る。
相変わらず氷川は機械のように至極冷静。揺るがない。
昨日の今日で動揺しているのは、私だけなのだろうか。
だって、夕べの氷川は反則だ。あんな一面を見せられた上での、この攻撃。
私は彼を好きになればいいのか、嫌いになればいいのか、気持ちの整理がつかないじゃないか。
「なんですかその酷い顔は」
「失礼ね。元からこういう顔なんだけど」
あなたのせいです、と出かかったが、なんとか平常心で押し殺す。
が、氷川は執拗にお小言を言い放ってくる。先ほどの会議では責め足りなかったのだろうか。
「会議中も当たり障りのない答えで私の言及をかわしていましたね。やる気はあるのですか」
「やる気はあるんだけど、集中力を掻き乱される諸所の事情があって」
「まさか……眠いのですか?」
「どうしてそうなるのよ!」
嫌味だったのに受け取ってすらもらえず、苛立ちが募る。
相変わらず氷川は機械のように至極冷静。揺るがない。
昨日の今日で動揺しているのは、私だけなのだろうか。
だって、夕べの氷川は反則だ。あんな一面を見せられた上での、この攻撃。
私は彼を好きになればいいのか、嫌いになればいいのか、気持ちの整理がつかないじゃないか。