イジワル御曹司のギャップに参ってます!
『ロマンティック&スイート』、『エレガント&フェミニン』、『ゴージャス&セクシー』の区画を通り抜け、『リラクゼーション&ボタニカル』の区画へとやってきた私たちは、テラスのあるカフェで小休憩を取ることにした。
『ボタニカル』をテーマにするだけあって、南国をイメージした植物があちらこちらに植えられている。
建物はどことなくハワイアンテイストで、キャストもアロハシャツやフラダンスが似合いそうな大柄な花のワンピースなどを纏っていた。
休憩を取ることにしたこのテラスは、私の顔よりも大きな青々とした葉っぱや真っ赤なハイビスカスの花に取り囲まれていて、小さな滝壺とそこから流れる静流が涼やかなせせらぎの音を奏でていた。
二人掛けしかない木製のガーデンテーブルを無理やり寄せてきて、四人掛けの席を作ったあと、私と市ヶ谷くん、氷川と青山さんがそれぞれ向かいあって座った。
テーブルの上は、パンケーキやドーナツ、グラスにハイビスカスの刺さったジュースで彩られている。
「はい、あーん」
市ヶ谷くんが私の口元にパンケーキを持ってくる。もちろん市ヶ谷くんの使ったフォークで。
間接キスになってしまうだろうか。とはいえ断るのもなんだか申し訳なくて、仕方なく私は口を開く。
「だからそういうことはしなくていい」不機嫌に一括する氷川。「それから青山さんも。彼に影響されなくていい。あーんとかしなくていいから」
たしなめられつつも、氷川の口元にドーナッツを運ぶ青山さん。
「食べて」という熱い視線に諦めたのか、氷川はしぶしぶ口を開いた。
「あーん」される氷川というのもちょっと滑稽で面白かったけれど、さすがのポーカーファイス。彼は何事もなかったかのように話を進める。
『ボタニカル』をテーマにするだけあって、南国をイメージした植物があちらこちらに植えられている。
建物はどことなくハワイアンテイストで、キャストもアロハシャツやフラダンスが似合いそうな大柄な花のワンピースなどを纏っていた。
休憩を取ることにしたこのテラスは、私の顔よりも大きな青々とした葉っぱや真っ赤なハイビスカスの花に取り囲まれていて、小さな滝壺とそこから流れる静流が涼やかなせせらぎの音を奏でていた。
二人掛けしかない木製のガーデンテーブルを無理やり寄せてきて、四人掛けの席を作ったあと、私と市ヶ谷くん、氷川と青山さんがそれぞれ向かいあって座った。
テーブルの上は、パンケーキやドーナツ、グラスにハイビスカスの刺さったジュースで彩られている。
「はい、あーん」
市ヶ谷くんが私の口元にパンケーキを持ってくる。もちろん市ヶ谷くんの使ったフォークで。
間接キスになってしまうだろうか。とはいえ断るのもなんだか申し訳なくて、仕方なく私は口を開く。
「だからそういうことはしなくていい」不機嫌に一括する氷川。「それから青山さんも。彼に影響されなくていい。あーんとかしなくていいから」
たしなめられつつも、氷川の口元にドーナッツを運ぶ青山さん。
「食べて」という熱い視線に諦めたのか、氷川はしぶしぶ口を開いた。
「あーん」される氷川というのもちょっと滑稽で面白かったけれど、さすがのポーカーファイス。彼は何事もなかったかのように話を進める。