好きという感情に気づけたなら
「ほかの2人組の子を誘ってみようか〜」
櫻はうーん、と言いながら教室を見渡す。
三桜はそんな櫻を見てチクッと胸が痛んだ。
私がいなければ…櫻は本当はいろんな子と仲良く出来るはずなのに。
私が足をひっぱってるんだよね…。
いつも感じていたけど、それでも三桜には櫻しかいないからつい甘えてしまう。
「んー、なんか2人組って子はいないみたいだからどっか入れてもらおうか」
「う、ん。そうだね…」
罪悪感を感じながら頷く。
すると櫻が眉間にシワを寄せてじっと見てきた。
「まーたなんかネガティブなこと考えてたでしょ!大体見当はつくけど…私は音弥と一緒がいいんだからね!」
櫻は、まったく!と言いながら人差し指で三桜のおでこを突いた。
その拍子で三桜は後ろによろめく。
座っていて良かった。立っていたら絶対に尻餅ついてた。
「ありがとう櫻。大丈夫だよ」
高鳴る鼓動、櫻の言葉に泣きそうになったがこらえて笑った。
いつだって櫻は私のヒーローだ。
私の事を良く知って分かってくれる一番の理解者。
『友達』や『親友』という枠には入り切らなかった特別な存在だ。