好きという感情に気づけたなら
「ほんとに?!私はいいけど、音弥は…平気?」
少し心配そうに下がった眉で櫻が聞いてくる。
極度の人見知りなのに男子となんて…。
とその目は言っているのが分かる。
三桜は一瞬目を伏せてからすぐに顔を上げて櫻に笑顔を見せた。
「大丈夫だよ。これで決まりだね」
三桜が笑顔を見せたからか、櫻の目が柔らかくなった。
ドキン…ッ
あ、どうしよう
三桜は顔が熱くなるのを感じ、すぐに下を向いた。
肩くらいまである髪の毛が顔を隠してくれる。
櫻の笑顔を見ると、どうしても心臓がうるさい。
私に向けてくれてるその笑顔が…嬉しいのに苦しい。
「音弥、どうしたの?」
「へぇあ!な、なんでもないよっ!!」
また心配そうな声がして三桜は慌てて手と首を横に振る。