好きという感情に気づけたなら
『ほんと、びしょびしょじゃ〜ん。あっ!脱がせてあげようか?!』
「…っひ」
ガシッと肩をつかんできた手に驚きビクッと震える。
『うけるー!!本気にしたの?そんなことするわけないじゃん、ねーー??』
「きゃっ!」
掴まれていた肩はそのまま力強く後ろに押され、三桜はドサッと尻餅をついた。
『っはーどんくさっ!手をつくなりして耐えろよこの貧弱野郎』
ぬっ、と目の前に何かが迫ってきたと思ったら今度は足で蹴飛ばされ完璧に床に倒された。
「…や…やめ…」
『ああ?うちらに口答えする気?生意気なことしてんじゃねーよ!』
「…っ!いっ、いたい!」
今度は髪の毛をつかまれ無理やり立ち上がらせようとする。
流石にクラスもどよめきはじめた。
いじめはハードになっていくばかり。
何もしてないのに…
私は…何もしてないのにっ…!!
痛みを感じながらどうにかたちあがると、手を離されたようで痛みは引いた。
もう耐えられないっ…!
三桜は教室から出ようとドアに向かって走った。
『あっ!おい待てよ!』
彼女達の声を背中で聞きながら一目散に廊下を走り、教室から一番遠いトイレに駆け込んだ。