好きという感情に気づけたなら
『……っ?!』
これって…!!
驚きのあまり両手で彼女を突き放してしまった。
『あっ…ごめんなさいっ』
ぼそっと謝り、彼女の顔色をうかがうと
てっきり怒っているかと思ったがなぜがニコニコと可愛らしい表情で笑っていた。
『お母さんからのうけうりなの。日本じゃこんなのやないもんね。だから、おまじない』
彼女はクスッと可笑しそうに目を細めて笑うと、スッと右手を差し出してきた。
三桜は訳が分からず戸惑いながら彼女を上目遣いで見る。
『友達、になろうよ。私は雨宮櫻!宜しくね』
櫻は宜しくね、と言うと首を少し傾けて天使のような笑顔を三桜に向けた。
ドキン、とその笑顔を見て三桜は胸が高鳴るのを感じた。
差し出された手に視線を落とし、震える手を少しずつ彼女の手に近づけていく。
トクトクトク…と鼓動が速くなるのを感じながらついに彼女の手に触れた。
『……音弥…三桜』
『みおう…素敵な名前だね!宜しくね!』
その瞬間に、自分の胸に何かが広がっていくのを
三桜は感じた。