Flower
少しして龍青さんも落ち着いた。
「それじゃあ、名前も分かったので警察の方に連絡してくるので少し待っててくださいねっ……え?」
警察に電話をするために部屋を出ようとしたら服の端を引っ張られた。
「どうしましたか? どこか痛いところとか?」
「…いさ……んわ……だ」
「え?」
「警察に電話は…いや、だ。」
え?
心底嫌そうに…というより辛そうな表情の龍青さん。
警察に何かあるのか…なんて思っても記憶がなきゃ多分本人も分からないよな…
「でも、連絡をしなければあなたのお家が…」
「必要ない。あんたには迷惑かけないから…運んでくれてありがとう。じゃあ。」
それだけ言ってまだ辛いだろうに起き上がり部屋を出ようとする龍青さんを次は私が止める番だった。