『ココロ彩る恋』を貴方と……
雇い主は有名人
そもそも最初から少し変だなと思うところはあった。けど、その時は自分が焦っていたもんだから、多少の事は目を瞑ろうと決めた。
慣れればこんな不可解さはきっと減る。これまでに行ったどこのお宅でも似たような感じのことは多かったんだから……と。
「……でも、やっぱりここは特別変だわ」
リビングと称される18畳の広さのある部屋の中を眺めて思う。
この部屋を徹底的に掃除したのはいつだったろうか。
確か、この家に雇われることになった翌日のような気がする。
「…それって、まだ3日前だよね?」
その際、壁に貼り直したはずのカレンダーを見下ろして呟く。
床に落とされたカレンダーを上から見ている私は、この家の家政婦で27歳の女性。
名前は満仲 紫音(みつなか しおん)、独身である。
「やれやれ、またやり直しか」
腰を屈めて足元に落とされているカレンダーを取り上げた。
今日から10月が始まるから紙を1枚だけ捲っておこう。
「おっ、紅葉か〜」
綺麗な銀杏並木の写真だなぁ。こんな場所に一度くらい行ってみたいもんだ。
「それには働け…ってか…」
自分にツッコミを入れて動き始める。
リビングの足元にもテーブルや椅子の上にも散乱している物を定位置に戻す。
慣れればこんな不可解さはきっと減る。これまでに行ったどこのお宅でも似たような感じのことは多かったんだから……と。
「……でも、やっぱりここは特別変だわ」
リビングと称される18畳の広さのある部屋の中を眺めて思う。
この部屋を徹底的に掃除したのはいつだったろうか。
確か、この家に雇われることになった翌日のような気がする。
「…それって、まだ3日前だよね?」
その際、壁に貼り直したはずのカレンダーを見下ろして呟く。
床に落とされたカレンダーを上から見ている私は、この家の家政婦で27歳の女性。
名前は満仲 紫音(みつなか しおん)、独身である。
「やれやれ、またやり直しか」
腰を屈めて足元に落とされているカレンダーを取り上げた。
今日から10月が始まるから紙を1枚だけ捲っておこう。
「おっ、紅葉か〜」
綺麗な銀杏並木の写真だなぁ。こんな場所に一度くらい行ってみたいもんだ。
「それには働け…ってか…」
自分にツッコミを入れて動き始める。
リビングの足元にもテーブルや椅子の上にも散乱している物を定位置に戻す。
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