『ココロ彩る恋』を貴方と……
告白して気まずくなるのは嫌だ。兵藤さんが私の告白をスルーするつもりでいるならそれに合わせておきたい。


「うん。…あっ、たまには満仲さんも食べて帰れば?」


何を思ったのか、急にそんなことを言い出した。

驚いて立ち止まり、くるりと体を反転させる。


「もっと前に言えば良かったんだけど、気が利かなくてごめん。夕食くらい此処で食べて帰ればいい。そしたら家に帰って作らなくてもいいだろう」


なんて有難い言葉だろうか。カップ麺主流の私に、手料理を食べて帰ればいいなんて……。


(不器用な自分が作った物とは言えまともな食事!嬉しいかも……!)


「い、いいんですか!?」


遠慮もなく聞いた。


「いいよ。そう言ってやれば?と、河井さんからも勧められたんだ」



ガクッと肩が落ちる。

兵藤さんが考えてくれたんじゃないんだというのが分かり、少しだけ気落ちしてしまったけど…。


「…あの、一緒に食べてもいいですか!?」


こんな広い家で1人だけの食事なんて虚し過ぎる。

せめて誰かが居てくれる空間で、食器の音を聞きながら食べたい。


「それは……」


ドキドキしながら何て言われるんだろうかと見つめた。

兵藤さんは私の視線に気づいたらしく、小さく笑って「どうぞ」と囁いた。



「は…はいっ!」


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