『ココロ彩る恋』を貴方と……
闇を照らす月のような光に
泣き崩れたまま意識が遠くなってしまった。
次に目を覚ましたら夜中で、ベッドの側には折り畳まれた衣類が置かれてあった。
『汗をかいたら着替えて下さい。下着は新品だから気にせずに』
『河井爽香』と書かれた文字は女性らしさに溢れている。仕事のできる女性は文字まで美しんだな…と思いつつ、しっとりと汗に濡れた服を着替えた。
下着には新品と思われる折り皺が付いていた。だけど、着替えに…と置かれてあったホームウエアにはなくて、誰かが袖を通したと思える跡が伺える。
(…これは……誰の?)
冷んやりと湿った衣類を着直す訳にもいかず、戸惑いながらも身に付けるしかなかった。
どう見ても河井さんが着そうな服じゃないし…となると、やはり彩さんの物だと思う。
(そうよね。この家に一緒に住むことになってたんだもん。服くらいあるよね……)
結婚する予定だったのだから、彼女が泊まりに来ることだってあった筈だ。
このホームウエアに袖を通して、兵藤さんの胸に抱かれていたんだーーー。
…そう考えると歯痒くなって、脱ぎだしたい衝動に駆られる。それを我慢をするかのように抑え、ぎゅっと体に腕を巻き付けた……。
(この世に彩さんはいないんだ……兵藤さんがどんなに想っても、彼女には近付けない………)
次に目を覚ましたら夜中で、ベッドの側には折り畳まれた衣類が置かれてあった。
『汗をかいたら着替えて下さい。下着は新品だから気にせずに』
『河井爽香』と書かれた文字は女性らしさに溢れている。仕事のできる女性は文字まで美しんだな…と思いつつ、しっとりと汗に濡れた服を着替えた。
下着には新品と思われる折り皺が付いていた。だけど、着替えに…と置かれてあったホームウエアにはなくて、誰かが袖を通したと思える跡が伺える。
(…これは……誰の?)
冷んやりと湿った衣類を着直す訳にもいかず、戸惑いながらも身に付けるしかなかった。
どう見ても河井さんが着そうな服じゃないし…となると、やはり彩さんの物だと思う。
(そうよね。この家に一緒に住むことになってたんだもん。服くらいあるよね……)
結婚する予定だったのだから、彼女が泊まりに来ることだってあった筈だ。
このホームウエアに袖を通して、兵藤さんの胸に抱かれていたんだーーー。
…そう考えると歯痒くなって、脱ぎだしたい衝動に駆られる。それを我慢をするかのように抑え、ぎゅっと体に腕を巻き付けた……。
(この世に彩さんはいないんだ……兵藤さんがどんなに想っても、彼女には近付けない………)