『ココロ彩る恋』を貴方と……
追っていける程の勇気もない。……ならば、鎮魂を祈るのみーーー


思えば思う程、涙が溢れて仕様がなかった。
あの絵の中に、それほどの苦しい思いが詰まっているとは知らなかった。

絵に文句を言うのはいいけど、モデルを罵声するのはやめてくれと言った彼の言葉の通り、誰も彼女を排除することはできない。


(だったら、その傷ごと彼を見守るしかない。
側に居られる間、精一杯、見続けるしかない……)


ドアの向こうで今夜も彼女を掘り続けているだろう彼を、ぎゅっと抱きしめたいと思った。


手助けができますように…と、深く祈りを捧げたーーー。


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