『ココロ彩る恋』を貴方と……
光を失った君が
『兵藤 彩』と兄妹になったのは、高校1年生の夏休みだった。
兼ねてから母親が付き合っていた男性との再婚が決まり、相手の娘と4人で食事をしようということになった。
初めて会った日、彩はまだ小学校5年生だった。
5歳も離れている女子と何を話せばいいのかわからず、顔を見たまま黙り込んでしまった。
『初めまして、お兄さん。私、彩(さやか)と言います。よろしくお願いします』
お兄さんなんて言い方が妙に子供らしくないと感じた。こっちは丁度思春期で、全てがつまらなく思っていた頃だった。
『お兄さんなんて言い方するなよ。妹なんて思ってないから』
トゲのある言葉にしゅん…と肩を落とした。大人気ないことを言ったな…と、我ながら反省をした。
『…じゃあ、アキラ君と呼んでもいい!?私のことも『さやか』と呼び捨てにしていいから!』
明るい声で言い渡された。
彩の目が半分見えていないことは、その後の説明で知った。
『ちっさい頃に見えなくなったの。でも、左目が見えているから平気!困る事なんてないよ!』
分厚いレンズのメガネを掛けていた。本人は困らないと言ったが、左目の視力も良くない状態だと聞かされた。
『裸眼だと0.5程度の視力なんだ。これからも回復は見込めないし、取り敢えず視界が狭まったりしない限りは普段の生活にも困らない』
兼ねてから母親が付き合っていた男性との再婚が決まり、相手の娘と4人で食事をしようということになった。
初めて会った日、彩はまだ小学校5年生だった。
5歳も離れている女子と何を話せばいいのかわからず、顔を見たまま黙り込んでしまった。
『初めまして、お兄さん。私、彩(さやか)と言います。よろしくお願いします』
お兄さんなんて言い方が妙に子供らしくないと感じた。こっちは丁度思春期で、全てがつまらなく思っていた頃だった。
『お兄さんなんて言い方するなよ。妹なんて思ってないから』
トゲのある言葉にしゅん…と肩を落とした。大人気ないことを言ったな…と、我ながら反省をした。
『…じゃあ、アキラ君と呼んでもいい!?私のことも『さやか』と呼び捨てにしていいから!』
明るい声で言い渡された。
彩の目が半分見えていないことは、その後の説明で知った。
『ちっさい頃に見えなくなったの。でも、左目が見えているから平気!困る事なんてないよ!』
分厚いレンズのメガネを掛けていた。本人は困らないと言ったが、左目の視力も良くない状態だと聞かされた。
『裸眼だと0.5程度の視力なんだ。これからも回復は見込めないし、取り敢えず視界が狭まったりしない限りは普段の生活にも困らない』