『ココロ彩る恋』を貴方と……
(……やっぱり失恋だな……)
思っていた通りだ。
「彩は俺の大事な妹だった。親同士の再婚で兄妹になって、血も繋がってなかったけど慕ってくれた。
『お兄さん』と呼ぶのが好きな子で、俺も彩にそう呼ばれるのが好きだった……」
「えっ……」
河井さんから聞かされてた話を違う。
2人は結婚を予定している仲だったんじゃないのか。
「……あの」
聞き直そうとしたら微笑まれた。
「河井さんが君に嘘を吐いたんだって。俺が彩と結婚する予定で、あの家を建てたと聞いたんだろう?」
キョトンとしている私は唖然としながら首を縦に振った。
「ごめん。あの人は冗談が酷くて。広報部長としても俺を女から守るのが役目だと信じてるんだ」
ぽかんとしていると、目尻を潤ませていた雫を掬われた。
「聞いたよ。派遣先でパニックを起こしたんだってね…」
潤んでいた瞳が乾いて、私のことを気にしている。
「此処へ戻ってくる最中で森元さんから連絡が入った。
もしも君が個展を観に来るようなことがあったら、何も心配しなくていいから…と、伝えておいて欲しいと頼まれた。
雇い主のお婆ちゃんは言い過ぎたと謝ってたらしいよ。息子さん夫婦も、君には甘え過ぎだったと言っていたって」
自分のやったことを思い出して震えがきた。
オドオドとしだす私を見て、兵藤さんが近づいてくる。
思っていた通りだ。
「彩は俺の大事な妹だった。親同士の再婚で兄妹になって、血も繋がってなかったけど慕ってくれた。
『お兄さん』と呼ぶのが好きな子で、俺も彩にそう呼ばれるのが好きだった……」
「えっ……」
河井さんから聞かされてた話を違う。
2人は結婚を予定している仲だったんじゃないのか。
「……あの」
聞き直そうとしたら微笑まれた。
「河井さんが君に嘘を吐いたんだって。俺が彩と結婚する予定で、あの家を建てたと聞いたんだろう?」
キョトンとしている私は唖然としながら首を縦に振った。
「ごめん。あの人は冗談が酷くて。広報部長としても俺を女から守るのが役目だと信じてるんだ」
ぽかんとしていると、目尻を潤ませていた雫を掬われた。
「聞いたよ。派遣先でパニックを起こしたんだってね…」
潤んでいた瞳が乾いて、私のことを気にしている。
「此処へ戻ってくる最中で森元さんから連絡が入った。
もしも君が個展を観に来るようなことがあったら、何も心配しなくていいから…と、伝えておいて欲しいと頼まれた。
雇い主のお婆ちゃんは言い過ぎたと謝ってたらしいよ。息子さん夫婦も、君には甘え過ぎだったと言っていたって」
自分のやったことを思い出して震えがきた。
オドオドとしだす私を見て、兵藤さんが近づいてくる。