『ココロ彩る恋』を貴方と……
ハイレベルな彼と恋に落ちて
画廊を出ると兵藤さんに付き添われて、雇い主のお宅に向かった。
お婆ちゃんに暴言を吐いたことを謝り、足を振り上げて怖がらせてしまったことを詫びた。


「本当に申し訳ございませんでした！」


深々と頭を下げた。
仕事を投げ出して、協会にも迷惑をかけてしまった。


「こちらこそ満仲さんには甘えっ放しですみませんでした。今日は母の誕生日で、僕らは内緒でプレゼントを買いに行ったんです。

母は自分の誕生日を忘れられたのかと思って不機嫌だったらしくて、それで貴女に当たってしまった…と言っていました。

ご家庭の事情も知らず、貴女に酷いことを言ったそうで……本当に、申し訳ありませんでした」


私以上に深く頭を下げられた。
私はもう一度頭を下げ、「明日からは別の家政婦が来ます」と伝えた。


「君はどうするんですか？」


驚いた顔で聞かれ、戸惑うように答えた。


「前の職場に戻ります。雇い主さんから是非に…と頼まれたので」


肩に手を置いてくれた人と微笑み合った。
お婆ちゃんの息子さんはそれを見て、「結婚でもされるんですか！？」と聞いた。


「い、いえっ！とんでもない！！」


大慌てで否定すると、隣にいる男性の顔が固まる。


（えっ……）


その表情を確かめ、胸の鼓動がバタついた。


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