『ココロ彩る恋』を貴方と……
「今夜は早く寝ちゃおう。あのリビングを掃除するだけでも結構大変だったから」


散らかされた部屋はなんとか元通りの状態に戻しておいた。これで2、3日はきっと大丈夫な筈なんだけど……


「多分ね」


革命児の彼が夜中にどんな活動をしているかが分からないだけに確証は持てない。
版画だけでなく、私生活も革命的なんじゃないだろうか、彼は。


翌朝、一番にリビングのドアを開けてみた。
昨日片付けたままの状態で放って置かれた部屋を見て、ホッと息を吐く。

今のうちに洗濯を済ませて他の部屋の掃除に取り掛かろう。
革命児が起きてきたら、今度はどの部屋が汚部屋にされるかわからない。


脱衣所に向かうと、洗濯機の中に脱いだ衣類と思われるものが入っていた。
兵藤さんは必要以上に着替えをする人ではなく、着替えたところで作務衣の数が増えるだけで済む。

衣類の中には当然ながら彼の付けていた下着なんかもあるけど、それを恥ずかしがっていたらプロじゃない。


「いろんな家で見てきたものだし、今更だしね」


さすがに高校卒業したての頃は恥ずかしかったよ。
男性のトランクスだの何だのって、見たことはあっても触ったりもしなかったから。



『紫音ちゃんは本当に何もさせられてこなかったのね〜〜』


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