『ココロ彩る恋』を貴方と……
ココロ彩る未来を貴方と……
夕飯を済ませると片付けもそっちのけで和室へと連れて行かれた。
私が持っている「丁度いい物」の正体が知りたくて、兵藤さんが後からにしていい…と言ったんだ。
カラッと開けた襖の向こうは布団が出しっ放しになっている。
寝ぼけ眼で起き上がってシャワーへ行った後、たたみに戻るのを忘れていた。
「すぐにたたむから」
慌てて手を出そうとして止められる。
間近にいる彼の顔を確認して、ドキッと胸の奥が揺れた。
「いいから。早く見せて」
急かせる人の声に頷き、荷物を持ってきたバッグの内ポケットを探る。
(…あった!)
ずっと前にしまい込んだままだった形見。
遺骨も家に置けない状況の中で、唯一私が持ってこれた物だ。
「これです」
振り返って手の中を開いて見せた。
頭の上から覗き込む彼に目を向けず、手のひらに乗った物を見て話した。
「これはお爺ちゃんの形見。若い頃にお爺ちゃんが奥さんに送った物なんです」
色のくすんだプラチナの輪の上で光るのはオパールだと教えられた。
白っぽい色の石の中に、様々な色合いが光っている。
「お婆ちゃんは体の弱い人で、若い頃に病気で亡くなったんだそうです。私が引き取られた時には既に遺骨で、それが家の仏壇の側に置かれてあったの。
幼い私はその遺骨が怖くて、どうして家に置いているのかと聞いたことがあるんだけど……」
私が持っている「丁度いい物」の正体が知りたくて、兵藤さんが後からにしていい…と言ったんだ。
カラッと開けた襖の向こうは布団が出しっ放しになっている。
寝ぼけ眼で起き上がってシャワーへ行った後、たたみに戻るのを忘れていた。
「すぐにたたむから」
慌てて手を出そうとして止められる。
間近にいる彼の顔を確認して、ドキッと胸の奥が揺れた。
「いいから。早く見せて」
急かせる人の声に頷き、荷物を持ってきたバッグの内ポケットを探る。
(…あった!)
ずっと前にしまい込んだままだった形見。
遺骨も家に置けない状況の中で、唯一私が持ってこれた物だ。
「これです」
振り返って手の中を開いて見せた。
頭の上から覗き込む彼に目を向けず、手のひらに乗った物を見て話した。
「これはお爺ちゃんの形見。若い頃にお爺ちゃんが奥さんに送った物なんです」
色のくすんだプラチナの輪の上で光るのはオパールだと教えられた。
白っぽい色の石の中に、様々な色合いが光っている。
「お婆ちゃんは体の弱い人で、若い頃に病気で亡くなったんだそうです。私が引き取られた時には既に遺骨で、それが家の仏壇の側に置かれてあったの。
幼い私はその遺骨が怖くて、どうして家に置いているのかと聞いたことがあるんだけど……」