『ココロ彩る恋』を貴方と……
「あ…あの……」
もしかして彼を怒らせてしまっただろうか。
声をかけるのも躊躇ったけど、気を悪くされていたら困るのでかけてみた。
「も…申し訳ありませんでした……」
ハラハラする気持ちを抑えつつ謝ると、彼は意外そうに聞いてくる。
「何を謝ってる?」
「だって、指定の色以外のものをお出ししてしまったので……」
こんなことで機嫌を損ねたらアウトだ。
明日からまた別の家を紹介して貰わないといけなくなる。
「ああ。それか」
何だか忘れていたような雰囲気の言い方。
「別に気にすることはないよ。ただ、次回からは絶対に色を混ぜないでくれ」
それだけ言うと手を合わせて椅子から立ち上がった。
出かける準備をするつもりらしく、食事室を出ようとしている。
「本当にすみませんでした!」
イタズラ半分で食事を用意した自分はプロじゃない気がして謝った。
出ようとしていた兵藤さんが振り向き、その顔を少しだけ綻ばせて言った。
「何度も謝らなくてもいいよ。ご馳走さま」
……たったそれだけのやり取りなのに、きゅう…っと胸が萎んだ。
唇の端を若干引き上げたままの彼が、ドアを開けて出て行く。
(あ……)
パタン……と閉まったドアの音に寂しいものを感じる。
真っ直ぐと私のことを見ていた訳でもないのに、彼の優しさに触れた様な気がした。
もしかして彼を怒らせてしまっただろうか。
声をかけるのも躊躇ったけど、気を悪くされていたら困るのでかけてみた。
「も…申し訳ありませんでした……」
ハラハラする気持ちを抑えつつ謝ると、彼は意外そうに聞いてくる。
「何を謝ってる?」
「だって、指定の色以外のものをお出ししてしまったので……」
こんなことで機嫌を損ねたらアウトだ。
明日からまた別の家を紹介して貰わないといけなくなる。
「ああ。それか」
何だか忘れていたような雰囲気の言い方。
「別に気にすることはないよ。ただ、次回からは絶対に色を混ぜないでくれ」
それだけ言うと手を合わせて椅子から立ち上がった。
出かける準備をするつもりらしく、食事室を出ようとしている。
「本当にすみませんでした!」
イタズラ半分で食事を用意した自分はプロじゃない気がして謝った。
出ようとしていた兵藤さんが振り向き、その顔を少しだけ綻ばせて言った。
「何度も謝らなくてもいいよ。ご馳走さま」
……たったそれだけのやり取りなのに、きゅう…っと胸が萎んだ。
唇の端を若干引き上げたままの彼が、ドアを開けて出て行く。
(あ……)
パタン……と閉まったドアの音に寂しいものを感じる。
真っ直ぐと私のことを見ていた訳でもないのに、彼の優しさに触れた様な気がした。