『ココロ彩る恋』を貴方と……
あの瞳の中に映る自分を自分だと認識してもらいたい。
違う人の名前じゃなくて、私の名前を呼んで欲しい。
「あの……満仲さん………」
恐る恐る声をかけてきた人を振り返る。
彼の目は伏せられ、手は前で握られている。
「申し訳ない…。すみませんでした……」
肩を落として深く頭を項垂れる。
有名な版画家なのに、部屋を片付けられないどうしようもない性格をしている人。
寝ボケると私を誰かと勘違いしてしまうし、色が混ざると食べ物が美味しくなくなって、受け付けられなくなる欠陥性のある人だというのに。
(バカだな、私……それなのに、この人のことが気になり始めてるみたい……)
ぎゅっとドアノブを一回握りしめてから離した。
彼の方を振り返り、キッと目線を走らせて言う。
「次からは絶対にナシにして下さい!同じことがあったら次は許しませんよ!」
そうよ。間違っても違う女性の名前なんて呼ばないで。
私の名前は満仲紫音。
この世に生を受けた時、たった一つだけ親にプレゼントされた名前。
「…はい。気をつけます」
顔を上げた人が真剣な目を向けた。
潤った青っぽい瞳の中にいる自分が、まるで特別な存在のように映ってくれればいいと思う。
「もう…いいですから」
側を擦り抜けてキッチンへ向かい始める。
違う人の名前じゃなくて、私の名前を呼んで欲しい。
「あの……満仲さん………」
恐る恐る声をかけてきた人を振り返る。
彼の目は伏せられ、手は前で握られている。
「申し訳ない…。すみませんでした……」
肩を落として深く頭を項垂れる。
有名な版画家なのに、部屋を片付けられないどうしようもない性格をしている人。
寝ボケると私を誰かと勘違いしてしまうし、色が混ざると食べ物が美味しくなくなって、受け付けられなくなる欠陥性のある人だというのに。
(バカだな、私……それなのに、この人のことが気になり始めてるみたい……)
ぎゅっとドアノブを一回握りしめてから離した。
彼の方を振り返り、キッと目線を走らせて言う。
「次からは絶対にナシにして下さい!同じことがあったら次は許しませんよ!」
そうよ。間違っても違う女性の名前なんて呼ばないで。
私の名前は満仲紫音。
この世に生を受けた時、たった一つだけ親にプレゼントされた名前。
「…はい。気をつけます」
顔を上げた人が真剣な目を向けた。
潤った青っぽい瞳の中にいる自分が、まるで特別な存在のように映ってくれればいいと思う。
「もう…いいですから」
側を擦り抜けてキッチンへ向かい始める。